第43章 エクスポーズミー
「夜風に」とは言ったものの今はまだ昼すぎで
あれはただの口実だと、2人は空き部屋にもつれ込んだ。
『っはぁ…焦凍…』
ぐじゅり、と腰のあいだで音がする。
脱ぎかけたストッキングは片足にまとわりついて、ヒールも片方履いたままだ。
焦凍は私の中を揺さぶりながら、胸に吸い付く
持ち上がった前髪のせいで、全部見えて、恥ずかしい
でも気持ちがいい…
焦凍の火傷跡に指を這わせると、視線がつい…と持ち上がって綺麗な瞳と目が合った。
「寧々…今日は、いつもよりキツイな」
『っ////だって…焦凍がそんな…』
「俺が?」
原因がわかっていないのか、何もわからないといった様子で首を傾げ…また奥をぐりっとかき回した。
『っん♡』
腰をつけている書斎の机は冷たくて、熱した体を冷やしてくれる。
(あ…焦凍……髪が崩れてる)
行為の途中でか、二三束前にこぼれた前髪
タキシードに、蝶ネクタイというかっちりした服装で
少し乱れた姿は、余計に色っぽく感じられた。
うっとりと美しい人を眺めていると
「あんまり見られると…恥ずかしいんだが……
やっぱり、似合ってねぇよな…」
轟は肩を落として、こちらの様子を伺うような仕草で上目がちに見つめてくる。
寧々は轟の言葉を信じられないと目を大きく開いた。
『…は?え?』
冗談じゃない…
この世でこんなに似合ってる人がいるのかと思うほどカッコイイのに…
『……焦凍って、なんか
抜けてる時あるよね』
ため息混じりにそう呟くと、轟はやっぱり分かっていない様子でうん…と悩んで
「そうか?」と返事をする。
『うん…』
乱れた髪をすくい上げてまた撫でてあげると、髪の毛は綺麗に戻った。
『かっこいいよ…焦凍
他の誰にも見せたくないくらい』
重かった?と首を傾げる寧々の腰を掴み
轟は奥深く腰を埋めた。
『ひぅ…ッ!いきな…り♡』
「今のは煽った寧々が悪りぃ」