第43章 エクスポーズミー
「それにしても」とレンはメイクを施しながら寧々をまじまじと見る。
「CMも、雑誌も見たわよぉ〜
すごい人気ね」
『あぁ…あれは、職業訓練で流れであぁなっただけで…』
「そうかしら?寧々ちゃんなら余裕でモデルになれるとおもってたけど?
あ、ちょっと天井の方見ててね」
『いやいや…本当に焦凍と勝己の七光りのせいだから
もうあぁいうのはしないかな…向いてないなって思ったし』
マスカラがまつ毛をさらに長く伸ばしていく。
コテが髪を巻き終えて、スイッチが切れると、カレンがポンと肩を抱いてきた。
「ほら、またいつもの癖。
可愛いんだから、自信持ちなさいって言ってるでしょ?」
鏡越しに見える自分の姿は、さっきまでとのは違う。
2人によって美しく仕上げられた自分の姿は、
綺麗なピンクとブラウンのグラデーションの瞼と長く伸びたまつ毛
チークも、唇もピンク色で、全体的に愛らしくまとめられている。
ケープを外されて現れたドレスは、アラタの用意してくれたもので
大きめのペッチコートが立ち上がるとスカートをふんわりと持ち上げた。
「はい、完成♡
いってらっしゃい!
男どもを悩殺よ、悩殺」
『ん、素敵にしてくれてありがとう
楽しんでくるね』
手を振る2人は「彼氏によろしくねぇ~」と声を投げかけてくれた。
(あ…彼氏じゃないって言い忘れてたな)
と寧々は思ったが、まぁいいかと続けて思う。
せっかくかわいいドレスで、かわいいメイクとヘアスタイルなんだもん。
今日くらいはパーティを楽しんで、難しいことは明日から考えたらいいや。
階段を降りるたび、カツンカツンとヒールが鳴った。
階段下には人混み
みんなアラタの帰国会のために来たアラタの友達だ。
その中で一際輝く3人
煙火アラタ、物間寧人、そして轟焦凍
3人の視線が、寧々を捉え、一瞬で赤面する。
パーティはまだ、始まったばかりだ