第41章 コンビニエントフォーミー4
未だ、爆豪が言う口先だけの「嫌い」を信じている寧々は『ごめんね、あと三日だから我慢してね』と笑う。
「それは…
俺がテメェの個性(洗脳)なしで、惚れてたら
金髪とか、半分野郎じゃなくて俺にしたってことかよ…」
『…どうなんだろう
私、本当に最低だからさ…それでも悩んだりするかも
でも、私の個性(キスミー)なかったら
爆豪くん私のこと好きにならないでしょ?』
「…あぁ
テメェなんか大っ嫌いだ」
『だよね』と笑うと寧々はほとんど減っていないおにぎりを、またラップに戻して立ち上がる。
そして、空の弁当箱をまとめると、爆豪に向き直った。
『ごめん、用事思い出したから行くね』
不器用に作って笑ってみせると、爆豪の返事も聞かずに走り出す
小さくなって行く寧々の後ろ姿を見ながら
爆豪は視線を赤く染まった紅葉に移した。
もうすぐ、冬が来る
冬は嫌いだ…
個性が弱くなるから…