第40章 コンビニエントフォーミー3
食堂を立ち去った爆豪はズカズカと廊下を進んでいた。
その前方からすれ違うようにやってきた4人の生徒の1人が
爆豪を見つけた途端に大きな笑い声を上げる。
「っれぇぇぇぇ!?何それ、ギャグ?
ほんと次々よくネタに困らないねぇ君は
爆豪ちっさ!笑える、なぁ?!」
ハン!と手を額に当てて見下してくる細身の金髪碧眼。
紹介するまでもなく、寧々の双子の兄物間寧人なのだが
爆豪が現時点でこの男を知っているはずもなく。
「あ?誰だテメェ…どけ、俺の前に立つな
殺すぞ」
と吐き捨てるように言った。
「わー中学時代はさらに巨悪な顔つきなんだね笑える
その状態で寧々に会った?
そんな悪人ヅラなら、即嫌われて終わりだろうね」
両手を叩いて笑う男に爆豪は胸ぐらを掴み
手から爆発を起こして威嚇する。
「てっめ…どこのどいつか知らねぇが
それ以上いうとぶっ殺すぞ…
しかもなんでてめぇまであのクソ女のこと知っとんだ!」
「へぇ…記憶までないんだ…
おもしろいね」
ツイ…と口角を上げる男は食えない顔で笑う。
「おい…物間、あんまり遊ぶなよ」と諌める拳藤であったが
半分止める気もなさそうに、鉄哲と塩崎と行く末を見守る。
「ハイハイっと…まだ世界の広さを知らない君に教えてあげようー」
物間は垂らしていた腕を
降参するように両手のひらを見せて顔の横まで持ち上げ
そして
BOMBOMBOM!!!と軽い爆発を見せつけた。
「なっ!!!」
「残念だったね、ここは雄英高校だよ?
お前程度の個性吐いて捨てるほどいる」
首を斜め後ろに傾げて、冷たい灰青の瞳は笑う。
「てめぇ…何もんだ」
「俺?
俺は物間寧人…かわいい寧々の恋人だよ♡」