第40章 コンビニエントフォーミー3
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「寧々ちゃん、また捕まんなかったのかー」
「爆豪から逃げるなんてやるなあ!」
「うるせぇ、殺すぞ」
笑う切島と上鳴を睨みつけると口元にカレーを運ぶ。
雄英高校の学食に学ランの中学生は初日こそ目立っていたが
個性事故の多いこの学校はイレギュラーに対しての順応性が高い。
今日は誰も特に爆豪を気にすることなく、爆豪も昨日のように「あ゛?!見てんじゃねぇぞクソカスが!」とヘイトを増やすこともなかった。
「チッ…あの洗脳女…
さっさと個性解除させて、スグに殺す」
爆豪のつぶやきに、二人は肩を震わせて笑い、切島は同情の視線を向けた。
「なぁ…バクゴー、本当に寧々ちゃんに洗脳されてるって思ってんのか?」
「あ?
ったりめーだろ!アホみてぇなのは髪だけにしとけ
個性じゃなかったら、俺があんな女好きになるはずねぇだろうが」
(あーあ…好きって言っちゃったよ)
どこまでも気の毒な友人に苦笑いを向けていた上鳴であったが
2テーブル向こうに轟を見つけてそちらに視線をうつす。
「まぁ…あの轟がライバルだとキツイよなー」
「だな」
「あ?」
「正直、爆豪…あ、高校生の方な?
が轟相手に対抗出来てんのもすげぇと思うもん」
「俺だったら絶対無理、
あんなハイスペックオバケと女取り合うとか」
うんうんと頷く瀬呂に反して切島は腕を組み立ち上がる
「俺は相手が誰であろうと、好きな女なら想いを伝える!
諦めるなんざ、男らしくねぇ」
爆豪は轟の方を向き睨みつけると、不機嫌そうに舌打ちをした。
「あの女、あの半分まで洗脳してんのかよ
根性腐ってんな」
「いや、轟は自分の意思だよな」
「うん」
「あ?んだよそれ
ならあの半分と付き合えや」
「「「うーん…」」」