第40章 コンビニエントフォーミー3
「クソ女!!待てゴラァ!!」
『ひぃ!』
普通科校舎に不似合いな爆発音が鳴り響く昼休憩。
寧々はその爆発音から逃れるように人並みに紛れて女子トイレに隠れる。
「どこ行った!隠れてんじゃねえ!」
廊下から聞こえる罵声に寧々は頭を抱えた
(うう…爆豪くんシツコイ)
授業後すぐに、「洗脳女!個性解除しやがれや!」と乗り込んで来られて今に至る。
二階の女子トイレの小窓がコンコンと鳴り、顔を上げると
『ゆきちゃん!!』
「よ、迎えにきたよー」
窓を開けると、雪が両手を伸ばして、寧々の体に巻きつける。
伸比ゆき 個性【伸縮】
手足を4メートルまで伸ばすことができる。
ただし1日10分まで。
ヒーロー志望だが、ヒーロー科の試験に落ちて普通科にはいっているという友人に救助された寧々は、ゆっくりと地面に足をつけて溜息を吐く。
『ありがとうゆきちゃん』
「いいのいいの、
寧々も大変だねぇ…
さきが購買でお弁当買ってるし、一旦寮に戻って食べようよ!」
『わぁ…本当に至れり尽くせり申し訳ないよ』
肩を落とす寧々に、ゆきは「ジジくさい」と笑った。