第4章 フィールミー
「寧々ー」
「ねえねえ、寧々!」
『ふぇ!な、なに?』
名前を呼ばれて振り返ると、さきちゃんとゆきが呆れた顔で私を見てた
「もーなにぼぉっとしてるの?
騎馬戦終わったよ?
昼ごはん!今日は屋台で食べよー♪」
『あ、うん!私も屋台で食べたくて、今日はお弁当休んだ!』
「よっしゃ♡いこいこ!」
3人で屋台へ小走りで走る
するとそこには、たくさんのテレビカメラと報道人
「あ!居たぞ!」
『ええ!?』
「な、なに?」
私たち3人はぐるりと取り囲まれる
「モニターに写ってた女の子ですよね!?
お名前は?!」
『え?わ、私ですか?!』
「そうそうー君だよ!選手宣誓の時に映ってたの、君でしょ?名前は?」
『口付寧々…です…』
記者の人が一斉にメモを取る
「爆豪勝己くんとはどんな関係?恋人なのかな?」
ポニーテールの女性がマイクを向けてくる
この人テレビで見たことある!ってそうじゃなくて
『え!?ち、ちがいます!』
「じゃあ、爆豪くんの片思いかな?」
『ひええ!とんでもないです!』
とんでもないことを言われたので、勝己くんの名誉のためにも全否定する
そこにさきちゃんが、ずいっと出てきて
「いえ!そうです!
爆豪勝己くんは、寧々ちゃんをオレのモノにするーって言ってましたぁ♪」
『ちょっと!さきちゃん!誤解招くから』
「さらにさらにー」
っと得意げにさきちゃんがカメラに向かっていう
「さっき一位をとった轟焦凍くんも、
寧々ちゃんに告白したんですー
はーい、これで全部です!もうここまで!ハイ通して通して!」
さきちゃんは私の腕を掴んで報道人を散らしながら進んでいく
「どちらを選ばれるんですか!?」
「やはり一位になったほうと、付き合われるんですか!?」
質問を続ける報道人達
「それ聞くのは野暮でしょー」とゆきが制してくれる
人の波に紛れて逃げた
『あ、ありがとう…ごめん…
てか!さきちゃん酷いよ!ダメだよ!勝己くんに迷惑だよ!』
「あのねー寧々、私はあんたがほんとに鈍感で心配になるよぉ」
「それは一理あるね」
『みんな鈍感って言うけど、意味がわかんないよぉ』
さきちゃんは買ってきたたこ焼きを私たちに手渡しながら言葉を続ける