第4章 フィールミー
〜物間side〜
爆豪「待て!待てって!」
物間「しつこいなぁ、
そうしつこいのはヒーロー以前に、寧々に嫌われ…」
振り向くと爆豪がとびかかってきている
物間「円場!」
すかさず円場が空気凝固で見えない壁を作る
爆豪はそれにしがみつき…素手で割るつもりだ
(結構分厚い壁だから、割れないよ)
そう踵を返した瞬間
バリン!!
馬鹿力で割やがった、しかもハチマキを二本奪われて
物間「クソ!」
(2本はやられたが、残りの1本を死守すれば…
つぎの第三種目が本当の意味で一位が決まる…
そこまで生き残って、何としてでも爆豪を蹴落とさないと)
寧々を渡すわけには絶対にいかない
実況「おーっと!実は実は、この2人は恋敵と書いてライバル!熱いねぇ!一人の女を奪い合い!青春だねェ!」
実況と共に、大型スクリーンに寧々の顔が映る、
祈るように両手を握りしめてどこかを見ている
きっとボクの勝利を願ってくれてるんだろう
「今までだって、悪い虫は全部ボクが蹴散らしてきたんだ!
寧々は死ぬほどモテるから大変だったよ…
寧々に触れていいのはボクだけだからね!ハハハ」
逃げながら声高らかに言う
そうだ、かわいいかわいいボクの妹
「絶対爆豪は一位にさせない」
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〜寧々side〜
私は焦凍くんの戦いに目を奪われていた
『焦凍くん…』
氷に覆われたリンクで、彼の手にハッキリと見えたのだ
火が
(焦凍くんの個性は半冷だったはず…
なのに今火が見えた…よね?)
掌から火、さっき爆豪くんも両手から火柱が上がってたし
こんどは焦凍くんも…いや、でも見間違いかも
「え、スクリーンに寧々映ってるよ?!
って…聞いてないね(笑)」
さきちゃんが、なにか声をかけてくるけど
耳に入らない
ただただ焦凍くんの左手にさっき見えた炎は何だったのか
あの男の子は焦凍くんなのか、それとも勝己くんなのか…
はたまたどちらでもないのか
個性をまたコピーすれば思い出す
でもその方法がキスしかないなんて
『確かめられないよ…』