第39章 コンビニエントフォーミー2
『でも、私は勝己と付き合った…
それはやっぱり、勝己の事もだんだん好きになってたってのもあるんだけれど
勝己がずっと探してたから男の子だからって…
だから焦凍への思いは、一時的なものだろうって…
勝己のことは、10年も探してたから…
勝己も探してくれてたから…
それが決め手になったんだと思う。』
【約束】の鎖に縛られた二人に、轟は何も言葉を返せなかった。
その立場になってみないと、二人にとっての【約束】の重さは分からない。
黙っていると、寧々がフッと視線を絡めてきた。
それだけで簡単に跳ね上がる胸の鼓動。
寧々の方から重ねられた唇に背中が震えた。
そっと離れた唇が名残惜しい。
もう1度重ねようとすると、コツンと額が額に当たって拒まれる。
(サヨナラしなくちゃ…
勝己とも…
焦凍とも……)
爆豪の体が戻ったら
二人にきちんと別れを告げよう。
寧々はそんな無茶苦茶な事を心に決めて、
瞳を閉じた。