第39章 コンビニエントフォーミー2
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「だからな、バクゴーが寧々ちゃんにベタ惚れって感じなんだって」
上鳴の説明に、切島と瀬呂が同意の意味を込めてうなづいた。
食事も終え、寮内で行動を共にしている4人はいつものように食後のつかの間の休憩をしていた。
「あ゛!?嘘つくんじゃねぇ!
殺すぞカスが」
噛み付く爆豪は黒い学ラン姿。
「うわぁ…中学爆豪、暴言やべぇな」
はははーと笑う瀬呂に上鳴も同意する。
「今もかなりヤバいけど、中学時代よりは丸くなったんだな」
「クソ…勝手に丸くなりやがって…」
と、未来の自分にまで悪態をつく始末に、切島は眉を八の字にして溜息をつく。
「寧々ちゃんとは話したのか?」
「あ?」
「そんなに気になるなら本人に聞かねぇと
俺たちだって、なんで二人が付き合ってんのか知らねぇもん
本人と話してみねぇと分かんねぇだろ、色々」
「……」
机に足を組み乗せ、ポケットに手を突っ込み
学ランの襟元に顎を隠す爆豪は、高校時代に増して威圧的な態度をとっている。
が、切島の言葉には一理あると感じたのか何も言わずにそっぽを向いた。
すると
「オイオイ、切島ー
この爆豪童貞なんだから、寧々ちゃんに話しかけれるわけねぇだろ〜?」
「そうそう、まだDTなんだからさ
ハードル高すぎ」
プスプス笑いながら茶化すように話す瀬呂と上鳴に
爆豪は、青筋を浮かべ、机を爆破した。
「てめぇら!ぶっ殺すぞ!あ゛ぁ!?!?」
「いや、でも寧々ちゃんと話せねぇだろ?」
「ハ、ナ、セ、ル、ワ!舐めとんのか
あの程度のクソモブ女、余裕だわ」
ガタン!と立ち上がると
舌打ちをしてエレベーターに向かう。
その後ろ姿を見送りながら
3人は顔を合わせて笑った。
扱い易さは、中学時代でも同じなようだ、と。