第38章 コンビニエントフォーミー
「すみません…ゲホッ…あのー…」
そんな声がして、眼が覚める。
轟は起き上がるとここが自室ではなく、保健室だと思い出し、ベッドから降りてカーテンを抜け声のする方を見た。
そこには、入り口のあたりでしゃがみこむ男子生徒
「大丈夫か!?」
駆け寄り、支えると体格的に年が上だとわかった。
「あれ…君、一年の…リカバリーガール…は?」
「わからねぇ、さっきまで居たんだが
もしかしたらうちのクラスの治癒に行ったのかもしれねぇ」
「嘘だろ…タイミング悪りぃ…」
明らかに調子の悪そうな男を、さっきまで自分が寝ていたベッドまで運ぶ
「呼んできてやるから」
多分先輩の男は「頼む」とだけ呟いてズルズルと布団に埋もれてしまう。
轟は、ついさっきまで授業をして居た演習場βのモニタールームへ走った。