第4章 フィールミー
もたついている間に一位が決まってしまったようだ
私とさきちゃんは崖の手前でリタイアになってしまった
『みんな凄すぎる…』
「悔しぃー」
リタイア組はゾロゾロと会場に戻り生徒観覧席につく
席につくとちょうど結果発表が始まるところだった
一位緑谷くんだ!すごいなぁ
焦凍くんも勝己くんも2.3位…
お兄ちゃんは36位だ!
みんな一次通過してよかったぁ
次の種目は「騎馬戦」
誰を応援したらいいのか分からなくて
『みんな頑張れー!』
と声をかけた
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
騎馬戦が始まり、一斉に緑谷の騎馬に襲いかかる
10000000ポイントの争奪戦だ
空に逃げる緑谷騎馬、
その時寧々の目に1人、騎馬から飛び上がる爆豪の姿が見えた
『え…勝己…くん』
両手から爆発を起こす爆豪
(勝己くんの個性って爆発だったんだ…)
それはまるで、手から火がでているかのようで
脳裏にあの日の男の子の姿が浮かぶ
顔も名前も覚えていない、あの男の子
手から火のようなものを出す個性
『もしかして…』
(もしかして、勝己くんが…)
爆豪の攻撃はダークシャドウで跳ね返され
瀬呂のテープで騎馬に戻る
「うへぇーすっごいなヒーロー科…のA組」
『あ、うん そだね』
答えが上の空になってしまう
周りもA組の話で持ちきりだ
「ヴィランと戦ったってだけでこんなに差がでるのかねぇ」
「B組ぱっとしねぇな」
「お兄ちゃん…」
たしかに派手な動きはA組ばかりだ
実況がスピーカーから鳴り響く
「じゃあここで現在のランキング発表してみよーーゥ!
ってアレ? 爆豪…アレ?」
皆一斉にモニターに目をやる
『お兄ちゃん…2位!』
そして爆豪チームは0ポイントを示していた