第36章 プルミー

「…わかんねぇよな
わかってりゃ俺だって苦労しねぇわ



でも、わかんねぇなら」


一方的に話してくる爆豪の表情から
寧々は目が離せずにいた。


どうしよう、


と困惑する脳内。

視界の先の爆豪の表情は、穏やかだ。


「わかんねぇなら

お前が耐えきれねぇほど愛し倒して

もう無理だってくれぇ

大切にしてやる」



最後の言葉は口づけられた唇から聞こえた。

心臓がトントン肋骨を打っている
どうしよう



すごく好きだ…

こんなのって、どうしたらいいの？
きゅうううっと縮まる心臓が痛い。


唇は頬をそって、耳たぶに優しく触れ、ちゅっちゅとキスを落とされる

『…寂し、かった…』

ダメだ。
思っていたことを声にだしたら、やっぱり恥ずかしい。
勝己胸元に顔をうずめる

トクトク鼻先に感じる胸の音…
私と同じぐらい早い

「寧々」

ふっと顔を上げて、彼を見つめた
その瞬間、頬に手が添えられて
赤い瞳が私を心ごと捕まえた
じっと見つめ合うと、切なくなる





言葉もなく、唇を奪われた。
いつもの勝己が嘘みたいな優しいキス

ううん、時々彼はこんなキスをする。
びっくりするくらい優しくて甘い

『んぁ…』

甘い吐息が漏れた。



「俺に逃げてこい」



胸を揉みしだかれ、
キスも一層深くなる。

何日間も誰も触れていなかった胸先は、
薄い布を柔らかく押し上げていた。
熱くしているのは、ただの情欲か、それとも恋か


答えを聞くみたいに強く摘まれた。