第36章 プルミー
爆豪は、険しい表情のまま何も話そうとせず2分ほどたった頃
「あいつが…笑わねぇ」
と言葉を零した
「寧々?」
「笑ってるよ…?今日も普通に…」
「ちげぇ、前みてぇに笑わねんだ」
そう言われてみればと、二人は目を合わせたが
二人は轟と寧々に何があったかも知らないため
そこまでの違いに気付いていなかった。
「でもさ、それって爆豪さんがヤっ…」
と言ったさきの口元をバタン!とゆきが塞ぐ
「んぐ!んんん!?んぐー!」
ゆきを睨むさきだったが、「あんたはもう少し!恥じらいを持て!」と言われて
諦めたようにソファーに沈んだ。
「まぁ…えっと、爆豪さんが
前と少し変わって寂しいって言ってたよ?」
「…俺?」
頷くゆきの目の前で、爆豪は意表をつかれたような顔をした
「なんか、寧々に遠慮とかしてない?」
「……」
思い当たる節があるのか、黙ってしまう爆豪
ゆきはさきの手を引いて立ち上がる。
「あ、私今日はこの子の部屋に居るから気にしないで
しっかり寧々と話し合ってよ」
さきが振り返りざまにそういうと、二人はエレベーターのある方へきえていった。
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閉まるエレベーターの中で、ゆきはため息をつく
「なんかさ…うまく言えないんだけど」
「うん、多分同じ事を思ってる」
「だよね…
爆豪さんのイメージが」
「うんうん、変わったよね」
だよね、だよね
と目を合わせて頷いた