第36章 プルミー
寧々に『普通に部屋で過ごして』と頼まれたさきは、ノック音に気づいてドアを開けた
そこには、あまり話したことはないが
色々とよく知っている人物
「ばっ!くご…かつき」
なぜフルネームで呼んでしまったのか自分でも後悔したが
怒られると思いきや爆豪は、少しバツが悪そうに俯いたままだ
「ど、したんですか?
寧々の部屋なら隣だけど…間違えた?」
「…
ちょっと、ツラかせ」
ヤンキーの先輩の呼び出しかよ!とツッコミたくなったが
彼のイメージにしては低姿勢な態度で
なにも言わずに
一緒に廊下に出て、爆豪さんに付いて共通スペースに来た
1-Cには、ヒーロー科をよく思って居ない人も多い。
妬みや、嫉妬だ
だから、爆豪と一緒に共通スペースに座っている私も
必然的に針のむしろのような視線の中に立たされる
(この人…こんな視線浴びてよく平気だなぁ)
没個性な私はどんなに願ってもヒーローにはなれないし
なろうとも思って居ない。
けれど、そこそこの強個性だがヒーロー科及ばずの生徒からしてみれば
超のつく強個性の彼は妬む標的の代表といっても過言じゃないだろう。
話を聞きつけたのか、ユキが現れて近づいて来る。
「珍しい人が居るね」
「うん…」