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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第36章 プルミー




翌朝、寧々と爆豪は昼過ぎに起きて
寧々はシャワーを浴び
部屋にあるもので軽い食事を済ませたあと

また布団に戻っていく彼女を
爆豪は顔にこそ出さないが心配そうに見つめた。



だがかける言葉は、ない


傷ついているのは、痛ましくかわいそうだが
このままの傷を残して居た方が
自分を選んでくれるのではと
浅ましい考えが頭をよぎる。



こんなに悩んでいるのは、
あいつの事も好きだからだろうなと
容易に想像がついて


苦々しい思いを腹に溜め込んだ。



そんな思いを捨てるように立ち上がると
なにも言わずに部屋を出る。
寧々は少し首を持ち上げ、ドアを見つめたが

(トイレ…かな?)
と枕にポフン、と頭を戻した。


今日は会えないと打ったラインに
アラタからの返事はシンプルなもので

オッケー、了解♡とそれだけ。



勝己は、きのう、「綺麗だった」と言ってくれたけれど
実際のところどうなのだろうか。

やっぱり、目の前で見せられて
いい気のするものじゃないのは分かっているし

私たちの関係を考えると
更に酷だと思う。



なぜか、勝己の優しさは
ほかの人の優しさより、いつも特別に感じてしまう。
多分それは、勝己が優しそうには決して見えないヴィラン面をしているからなんだと思う。

本人に言ったらきっと
あ?!っざけんな、誰がヴィランだクソが!
って言われるんだろうなと思うと、
思わずくすくす笑ってしまった。


あえて思い出さなかったもう1人のことを考えないように
思考を別にそらす。


『遅いなぁ…勝己』



不安な思いとともに、布団を抱きしめた。
今日はなるべく、一緒に居たい。



ガチャリと音がして、服をきがえた爆豪が
ドアの前に立っていた




「出かけんぞ」


『え、どこに?』


いきなり帰ってきたかと思ったらそんなことを言われて


有無も言わさぬオーラに、それ以上何も聞かず
服を着替えた。


半ば引っ張られるように出た外は眩しくて
思わず目を細める



『ま、ぶしい…』

こんなに外は天気が良かったのか…


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