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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第36章 プルミー





『勝己…起きて』

不安げな声に目を開く
声をそのまま移したような表情の寧々の頭を撫でると
眉を垂らしたまま瞳だけ閉じた


「どうした」


『…ごめんね、寝てたのに…
怖い夢見て…』




そうか、とだけ答えて、また抱きしめる。


目を瞑ると、夕焼けに染まった教室の中で
轟に抱かれていた寧々の姿を思い出してしまって
目を開いた


上書き保存をするみたいに
今すぐ抱いてしまいたい


というより、本当はあの場で抱いて
消してしまいたかった

煽られた不安や、嫉妬心を



『ごめんね』


心の中を呼んだかのように、寧々が呟く



『…あんな姿
見られたくなかった…

見られたくなかったの…


そんな、ワガママいう資格ないのに
変だよね、私』

「綺麗だった」



被せるように響いた声に、寧々は視線を持ち上げる


「寧々が…轟に抱かれてて
クソイラついたのに

それでもお前は綺麗だった」




帰ってこない返事に、下を向くと
寧々は真っ赤な顔をしてこちらをじっと見ていたので

パチン!と音がなるほどの強さで目隠しをする


「な!に…見てんだ、クソが!」


『だ…って!そんなコト言う…から…』



手のひらに長い睫毛が当たる

目を塞いだままそっと唇を奪った




「クソ…いいか…テメェは俺のもんだ…」

『かつ…き』



何も見えない

勝己の顔も、どんな表情で言っているのかも



ただ手のひらは
私を甘やかすように暖かかった。


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