第36章 プルミー
爆豪は寧々の部屋に戻ると
堰を切ったように泣きじゃくる寧々の体を
ただ優しくだきしめた
そのうちに疲れてしまったのか眠ってしまった寧々
よほど辛かったのか
眠っている横顔も、悩ましげに眉を潜めている。
ちょうどよく、明日は日曜日だ
ずっとそばに居てやれる
抱きしめれば、いつもの寧々とは違う匂いがした
時々付けているこの香りは轟のものなのだと痛感する。
俺ほど香りは強くないのが幸いだった
一晩抱いて眠れば、ニトロの匂いを重ねられるだろう。
もう十分、2人の間には隙間なんてないのに
もっと引き寄せた
抱き合うのは何のためかと言われたら
性欲だと言われてしまえば
元も子もない
けれど、
最初に抱いた時から
俺がこいつを抱く理由は
一つだけだ
ぐちゃぐちゃに混ざり合いたいだけ
俺とこいつの境界線をなくして
ひと塊に
いっそこいつの居場所まで
埋めてしまおうか
と
そのための方法なら
べつに性行為じゃなくたっていい
現に、付き合っていた時は
抱きしめたり、キスをするだけで満足だった
大切にしてぇ
轟と抱き合わねぇなら
俺も別に抱けなくてもいい
誰にもバレないように、
そっと首筋に歯を立てた