第3章 キャッチミー
「私もだから、怪我しないようにがんばろ!」
『うん!』
ごった返す入口をなんとか抜けて、外に出た途端、驚く
一面氷が張り巡らされてるのだ
「くそー轟め…」
足を固められた生徒が悪態をついていた
(これが焦凍くんの個性…
すごすぎる…)
私達は滑らないようにソロソロと進んでいく
もっと先の方で爆音が聞こえる
怖すぎるよ!雄英体育祭!
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〜爆豪side〜
まさか半分野郎が寧々とあんな約束してるとは思わなかった
「潰す、殺す、抹殺する」
半分野郎にガンつけてたら、選手宣誓に名前が上がった
お前を一位に何かぜってーさせてたまるか
オレが一位になって、寧々をオレのモノにする
「センセー」
「俺が一位になる」
絶対一位になる、モブ共がうるせーな
「せいぜいイイ踏み台になれや」
振り返ってブーイングかましてる奴らに言ってやる
少し離れたところに、寧々が不安そうな顔でこっち見てやがる
寧々のことをしっかりと指さす
あいつは俺のモノだ、手ぇ出すな
テレビモニターにしっかりと寧々が映される
真っ赤な顔して、アホみたいな顔してやがる
かわいいな、クソが
会場もざわついてる
「おおっと!?あの美少女は誰だァ!?
1位をお前に捧げる的なヤツかぁ!?青春だねぇ!」
実況、いいこと言うじゃねーか
モブがアイツに手出ししないように、しっかりマーキングしとかねーとな
満足してステージから降りると、飯田が口うるさく言ってくる
半分野郎に睨みをきかせて列に戻った