第35章 シェイクミー
「ところで、さっき俺が
寧々の元彼って言ったのに驚かなかったね」
口角のつり上がった顔で聞くと、轟は
別に、と目を伏せる
「寧々が今まで誰と付き合ってようが
どんな事をしていようが、俺には関係ねぇ
最後に俺に振り向いてくれれば
それでいい」
時計を見ると、もう7:45分を示していた
轟は金を置いて立ち上がるが、アラタがそれを拒否した
「もう払い済みだから、いいよ」
「悪りぃが男に奢られる趣味はねぇ」
それだけ言い残して、轟は店を後にする。
寧々とアラタが元恋人同士だったと言う事に
全く動じなかったわけじゃない。
けれど、やはり
自分は寧々の初めての男だ。という自信が
轟と爆豪を決定的に分けたのだった。
轟は自室に戻る前に1-C寮前で足を止める。
見上げた先の寧々の部屋の
カーテンは重くしまったままだった。