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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第35章 シェイクミー




「…爆豪と寧々は、正直ちょっとやそっとで間に入れるような関係じゃねぇ…」


「オレも一応覚悟はあるよ…

君にはライバル宣言ついでに
俺のこと知ってもらってもいいかな?」



アラタは手持ち無沙汰そうに、コーヒーカップを回すと
言葉を選びながら話し始めた。



「俺は、一応強個性だ
士傑高校のヒーロー科に行ける程度、だけどね


それでも俺は、オーストラリアの高校に進学した


君らヒーロー科に分かってもらえるとは思ってないけど


俺はヒーローになりたくなかった。

たった一人の姫を守れれば、それでいい。

それが俺の考えだ」



轟は静かに聞きながら思う。
なら、なぜ日本に留まらなかったのか。

そばにいないのでは、そのたった一人の女を守ることも難しいだろうに。



「最初は、寧々の事もオーストラリアに誘うつもりだった


あいつは、バレてないって思ってるかも知らないけど

昔、多分6歳くらいの頃に物間家に泊まりいった時さ
あいつの親が、あいつの個性のこと話してんの

立ち聞きしたことがあんだよ。


あれだけの強個性あんのに、ヒーロー科にはいらないって…日本ではキツイだろ?」

確かに、と轟は首を縦に振る。
寧々の個性を知るヒーロー科の面々だって

「なんで入らないの?」と何度も聞いていた。
それほどまでに、この世界では、ヒーローになりたくて当たり前、
強ければヒーローになって当たり前。なのだ




「けど、運命の人を探すのに必死になって
勉強してるアイツ見たら…

雄英行くなって言えなくてさ…



でも、もし何かの弾みで

あいつの個性が、バレて…

寧々が日本に居づらくなった時


俺が、オーストラリアにいれば
俺のところに逃げてこれるだろ?」



アラタの瞳が優しく揺れる


「オレは、いざって時寧々が逃げて来れるような
場所になりたい。

本当のところは、あいつが運命の人と幸せになってんならそれでよかった

でも、違うんなら
俺も我慢する気はないよ」



アラタは視線を持ち上げ、轟を見つめる

コーヒーはとうに冷めてしまっていた。



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