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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第34章 ゲットミー



少し秋の風を感じるこの頃、

朝は少し冷える

土曜日の早朝に、アラタは雄英高校近くのコーヒーショップで
店員や店内の女性に熱い視線を注がれていた。


その視線が半分、もう一人の方に映る

「やぁ」

にこやかに手を振る先には

決して穏やかではない表情の、
アラタに負けず劣らずな美形、

轟焦凍の姿。


渋い顔で向かい合いに座ると、重々しく口を開く

「まさか、お前が士傑の奴と知り合いだったとはな」

「俺もケミィから聞いた時は驚いたよ
雄英のイケメン、紅白髪って言ったら君しかいないだろうしね」


注文を聞きに来た店員に、コーヒーを注文しながら
アラタはニコリと微笑む。



アラタがケミィと知り合ったのは、士傑高校の入学試験時だ
海外留学を周りに悟られないように合格だけしておいた士傑高校

そこで逆ナンに近い形で交換したのだが



士傑高校は男女交際を一切禁止している高校。
色恋なしのケミィとのやり取りは、アラタにとって新鮮で
今ではただ純粋に友人関係として、定期的にやり取りをしている。

そんな最中、「アラタ級のイケメン発見したー」と言われ、話を聞くうちに轟だと確信したアラタは
轟の連絡先を知るケミィ頼んで、

こうしてコーヒーショップに呼び出したということだ。



「俺は8時には戻らねぇといけねぇんだ
手短に頼む」


「うん、じゃあ本題から入るけど

俺は寧々の元恋人でね




ヨリを戻したいんだ


ライバルになるなら君だと思ってる
爆豪勝己じゃなくて…」



笑顔のままの言葉は、清々しいほど



「なんで俺だ」


まずは理由を聞こうと、轟は尋ねる


すると、アラタはうーん、と眉を下げた後に

「勘かな」
と答えた。



運ばれて来たコーヒーはゆっくりと湯気を立てる。


「確かに、爆豪勝己は寧々の運命の人ってやつらしいし
まぁ昔から探してたから、どれくらいでかい存在かってのは知ってるんだけどさ



顔も見た感じ悪くは無かったし?


でも、俺の敵じゃない」


口角を釣り上げた男の顔は、確かに自信を持つには十二分なほど美しい。



向かい合う美しい男達に、店内の視線は集まったまま。

片方の男はため息を吐き出した。


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