第34章 ゲットミー
優しいキスが雨あられと降ってきて
体を満たしてくれる
どんどん満ちていく
勝己の愛の愛で
もうおなかいっぱいだ
勝己は下着の中に手を滑り込ませて
くちゅくちゅと私の一番弱い所を撫でた
『あぁ……』
焼け付きそうな愛撫に身が跳ねる
いつもの激しいのじゃない
今日は確かめるみたいに1つ1つが優しい
寧々本人は気付いていないが
今彼女の胸の中には爆豪の存在しかない
彼への愛しかない
轟と抱き合っている時は
轟の事だけを考えている
目の前の愛だけを見つめる事で
自己正当化しようとしていた
『勝己…好き…』
だから喘ぐように呟くこの言葉も
嘘偽りのないもの
「寧々…」
信じたものは都合のいい妄想
このまま彼だけのものになる
いつかは辛い選択をしなくてはいけないのに
それを放棄して、彼だけのものになるなんて
『バカみたい…』
「…何か言ったか?」
勝己は不安そうに私の瞳を覗き込む
私はゆっくりと首を横に振った
『なんでもないよ…』
微笑んで重ねた唇は熱かった