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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第34章 ゲットミー




「なんか、今日機嫌いいね」


『そう?』

さきの問に寧々は軽く首を傾げて答える


『あ、でも』と答えながら
教科書を纏めて立ち上がると、穏やかな表情で笑って見せた


『自分のこと、嫌いになったら楽になった』





「え?」


どう言う意味、と聞こうと思った頃には
ヒラリと教室の入口まで移動して

『はやくー!次理科室だよー』
とはぐらかすかのように笑顔を作る


言いたくないことがある時はいつもそうだ

でも、『自分を嫌いになったら』って

普通逆なんじゃないだろうか


「なんか、変なことになってないといいけど…」

さきはため息混じりに呟くと
廊下で待つ寧々とゆきの元へ小走りに向かう



別に、寧々が誰と付き合おうと
誰とも付き合うまいとどっちでもいいのだ


友人としての心配は
寧々が幸せかどうかだけ


だれよりも不器用で、誰よりも真面目で
そのせいで、2人の男に振り回されまくっている寧々


一見、寧々が2人を振り回してるって
見えるかもしれないけれど

一番受け身で、一番振り回されているのは
寧々の方だ




でも、最近特に曇っていた表情が
今日はやけに明るい



きっと、いい方向に向かっているのだろう



さきの視線に気づいた寧々は彼女ににこやかに笑いかけた


『さきちゃんも、今度そこのカフェ行こうね』


なんの話か知らないが、ゆきと話していた内容を振られる


「うん!」


さきはただ、可愛い友人の幸せを祈りながら
短く返事をした



もう誰にも、ラムの時みたいに
寧々のことを傷つけさせたくないから。



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