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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第32章 カースミー






「矢沢たちに、代わりに迎えに行ってくれって言われた」


『そうなんだ…あ、荷物とってくるね』

いきなり焦凍を見るのはあまり心臓に良くない
整いすぎた顔に、自分の頬が染まっていくのがわかる

『リカバリーガール、ありがとうございました』
カバンを床から拾い上げ頭を下げると、リカバリーガールは次の約束の日を告げて手を振って見送ってくれる


誰もいない静かな廊下を歩いていると
少しだけ不思議な気持ちになった

すっかり寒くなってきたと思ったら
日が落ちるのも早くなっているみたいで
六時過ぎだというのに外はもう暗い

「経過はどうだ?」

『うん、特に問題なしだったよ
ありがとう』

「そうか、よかったな」

蛍光灯に照らされた笑顔は優しい
ほらね、こんなに優しくて、つよくて、かっこいい人が
私なんかと結ばれていいはずがない
守ってもらう気しかない私と違って
もっとヒーローをサポートできるような

それか、同じ土俵の人が相応しい


でも、そんなこと口には出さない。
だって口に出したところで否定されてお終いだから
そして「俺が好きなのはお前だけだ」って
余計に意固地にさせてしまうだけだから

さすがの私でも学んだし
私が欲しいのはそんな言葉じゃない


日が落ちた真っ暗な窓は鏡みたいに私と焦凍を写した





なんだかとても不釣り合いに見えて
目を逸らした







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