第31章 ハッシュミー
「今は、お前は全部俺んだ
許可なく隠すんじゃねぇ」
そんな言葉を言われてしまっては
また赤面してしまって
私の手からはボン!と小さく爆破が起きる
それを見た勝己は、もう一度深く舌を絡めるようなキスをして
個性を解除してくれた
『なんか…今日の勝己、いつもと違うね…』
唇が離れると、寧々は爆豪の腕の中でそう呟く
「……」
その呟きに返事はなく、ただ腕の血管から流れる僅かな鼓動を聞いていると
「アイツに、お前が抱きしめられてたの見たとき…」
爆豪が話し始めた言葉を
相槌は打たずに、耳でゆっくり拾う
「俺もアイツもすぐに動けなかった」
今度のあいつ、は焦凍のことだろうか
「俺の女に何すんだテメェ、殺すぞ
…って言えねぇんだよ
俺も、アイツも」
『………』
「泣くな
泣かせてぇわけじゃねぇ」
『…っごめん……』
「謝るくれぇなら、
好きだって言えや」
『…うん…好き…ごめん…』
結局謝るんじゃキリねぇな、と
爆豪は鼻で笑って
泣き続ける寧々の瞼に口づけを落とした