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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第28章 シーミー



〜轟side〜


爆豪の後を追うように自室についた轟は
望まぬ男から、かかってきていた電話を一方的に切って
しばし、その暗くなった液晶を見つめていた


すこしして、発信ボタンを押すと
何コールか鳴って、今度は望んでいた女の声が聞こえる


『焦凍?どうかした?』

その声をきくとホッとする
急速に暖かくなる胸が小さく息を吐くと

「寧々」と一番呼びたい名前を口に出す


「今から、少し会えねぇか?」


『うん、いいけど…』

寧々は時計を確認して、轟に返事をする
まだ夜の8時過ぎだ
「今から行く」と言う轟に、
寧々は『あ、私が行くよ!』と食い気味に言う

と言うのも、2日間爆豪が過ごした寧々の部屋は爆豪の特徴的な香りがまだ残っているからで
その中に轟を招くのは、些か酷だと思ったからだ



「なら迎えに行く」

『ううん、いいよ
って言うかもう寮の前に付いたし』


窓の外を覗くと
下に寧々が電話を片手にこちらを見上げている
窓に近寄ると、小さく手を振ってきた

その、少し照れくさそうな仕草に
頬が熱くなる

そのまま建物の中に入ってきて

コンコン、とドアがノックされるまで
座布団を出したり湯を沸かしたり少しソワソワしてしまっていたのだが

ノックの後、そろそろと部屋に入って来た寧々
轟を見た途端
ぷしゅーーーと顔を赤くする


『またそのお洋服…』

轟は、前回会った時と同じように黒のハイネックをきていて
その姿は簡単に言えば寧々にとって
一番ときめきやすい服装だった。

『ねぇ、それ着替えられない?』


「どうしてだ」


『いや…だって
それ着てる焦凍、直視できないから』

寧々は下を向いたまま呟く
その頬は確かに桃色だ


轟は、寧々の言う通りに
セーターの裾に手をかけて
その服を脱いだ



セーターの上からでもわかる
綺麗な筋肉が現れると
寧々はしばしそれを見つめてしまう


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