第28章 シーミー
俺は寧々だけを好きだが
寧々が好きなのは俺だけじゃねぇ
そんなの、もうとっくに分かっている
そうじゃなけりゃ、こんな思いはしてねぇ
いくら伝えても、返ってくるのは俺が欲しい物とは違げぇし
今だってそうだ
さっきの言葉が寧々を追い込んで
また泣かせてしまっている
こいつはまた、自分を責めているんだろうか
濡れた頬を掴んで唇を重ねる
「しょっぺぇ…
塩辛れぇのは好きじゃねんだけどな」
『ふ…ごめ…っん…』
でも、それが寧々なら別だ
甘かろうが、苦かろうが…関係ねぇ
全部、喰い尽くしてやる
ジッパーを下ろして現れた細い肩に軽く噛み付くと
薄っすらとピンク色の痣が浮かんだ
後ろから覆いかぶさって下着の中に手を入れる
指腹で嬲りながら、首の後ろに歯を立てた
『ひやぁ…』
ビクビクと寧々の体が震える
「痛ぇか?」
『んっ♡…ううん…痛く、ない…』
脳みそを溶かされるような甘い痺れ
抱え込むように脇腹を通って前に回された両手が
寧々に快楽を与え続ける
寧々は後ろ首を噛む爆豪に縋るように手をかけて
背をそらせた
左手で赤く膨らんだ突起を摘みクリクリ愛撫し
右手は中から腹の裏を押す
勝己の口内に吐き出された喘ぎ声が
頭蓋骨に響いている
シーツに水たまりが出来ていた
『勝己ぃ…』
唇の先だけ触れ合った状態で泣きそうな名前を呼ぶ
と 下唇を噛まれた
噛まれたところがじんわり熱を持っていく
太ももも、うでも、脇腹も
噛み跡だらけ
「挿入れんぞ」
中から指が抜かれて、上半身をベッドに押し付けられた
『や…まって、イッたばっか…で
今、ダメ…に…なる』
「なれよ、
俺はとっくにダメになってんだから
俺んとこまで落ちてこい」
沈められた肉棒は熱い
寧々は爆豪の二の腕にしがみく
『ん…わかった
落ちる…
受け止めて…?』
薄っすらと目尻に溜まった涙を
爆豪の唇がすくい取った
「まかせろ
安心して落ちていい」