第2章 ルックアットミー
『あの…爆豪くん…』
明らかに動揺して、しゃがみこんでしまった爆豪くんに声をかける
「勝己」
『ん?』
「勝己だ、俺の名前」
『あ、うん、そうだね』
「だーーーかーーーらーーー
爆豪じゃねぇ!勝己ってよべっつてんだよ」
両手から煙を出しながら爆豪くんがいう
『え、あ、うん』
突然の申し出に、驚きを隠せない
『えっと、勝己くん』
こうかな?と呼んでみる
すると爆豪くん改め、勝己くんは満足そうに笑って
頭をポンポンと撫でた
怒ったり、笑ったり忙しい人だなぁなんて思いながら
一緒に廊下を歩く
すると、B組からお兄ちゃんが脱兎のごとく飛び出してきて
「君がなんで ぼくの 寧々と歩いてるんですかぁー?」
笑顔でメンチを切ってきた
「ぼくの、ねぇ」
勝己くんは、フッとわらって
「そのうち オレの にするからな
おにいちゃん(笑)」
そう言いながら、私の腰に手を回してグイッと引き寄せた
『え?』
えーーーーーーーーーー!!!!!!
一部始終をこっそり見ていたA組、B組から黄色い叫び声と驚きの叫び声が聞こえる
ドアからなだれ出てきた、A、B組の生徒に勝己くんが大声で言う
「体育祭で一位とって、コイツをオレのモンにするから
お前らモブは邪魔すんじゃねーぞ!
邪魔するやつはぶっ殺す」
fuckのジェスチャーで宣誓する勝己くん
私は、もうどうしたらいいのか分からなくて
爆豪くんの拘束を抜け、
真っ赤になった顔を隠しながら、めちゃくちゃ走って逃げた
お弁当箱は、麗日ちゃんの机の上に忘れてしまった