第2章 ルックアットミー
『え?なになに?私なにかした?!』
爆豪くんに聞いても何も答えが返ってこない
握られた腕の部分があったかいと言うより暑い
そういえば爆豪くんの個性ってなんなんだろう?
なんて呑気に思ってたら
非常階段まで連れてこられ、壁に押し付けられ、俗に言う壁ドン状態になる
『いっ!』
正面で見ると、更に怖い顔してるなぁ…
こうやって見ると、爆豪くんって整った顔して…
「おい、クソ女…」
『…はい』
「お前分かってやってんのか?」
『あの、私何かしたかな…
ごめん、なんでこうなってるのか…分かんなくて』
(これ、なんの香りだろう…アーモンド?…なんだか安心する)
さっきからどんどん強くなるニトロの香りに、寧々は場違いなことを考えていた
「 ……」
爆豪くんは何も言わなくなり、はぁーと大きくため息をついて、
私の肩に頭を乗せてきた
『ば、爆豪くん!?』
「俺もなんでクソ腹立つのかワカンネー」
ボソッと爆豪くんが呟く
それはそれはいい声で、耳元で
私心臓の音が、どうか、爆豪くんに聞かれませんように…と願うことしか出来ず
爆豪くんの次の言葉を待った
「お前が、アイツとそういう関係なのは知ってる」
『アイツとは…』
「物間寧人だよ!」
名前も声に出すのが嫌だとでも言うように、声を荒らげる爆豪くん
甘い香りがさらに強くなる
『あぁ、お兄ちゃんの事か』
(そうか、爆豪くんお兄ちゃんのことが嫌いだから、私にイライラしてるのか!そうかそうか!)
「あ゛???????」
『え?????』
「お前今なんて…」
『え?なんかヤバイ事言った?』
「物間寧人…」
『うん、お兄ちゃん』
「は?お前らタメだろ」
『うん、双子、何分か早く生まれたから寧人がお兄ちゃん』
「お前の名字って口付じゃ…」
『うん、親離婚して、私は母方の姓になったから』
「お前ら弁当の中身同じだった…」
『え!なんで知ってるの!?
2人とも家が学校から遠いから近くに家借りて一緒に住んでるの』
「…はぁ?テメェふざけてんのかよ!!!」
『え!ふざけてないよ!
てか知ってて怒ってるんじゃないの?!』
「知らなかったから怒ってんだよ!クソ女!」
『えー理不尽…』