第26章 アライブトゥーミー
実の兄にでさえ、黒いニットを来た男性を
『かっこいいな』と思っていたのだ
轟が着ればなおのこと
綺麗に整いすぎた顔を見上げる
破壊力が半端じゃない
見ているだけでうっとりしてしまいそうだ
背中にまわされた手がゆっくりとジッパーを下ろしていく
あぁ…私今からこの人に抱かれるんだ
そう思うと下腹部が熱を持った
丁寧に脱がされたワンピースが
頭元に音を立てて落ちる
下着だけになった私を見つめる2色の瞳がギラっと光った
そんな瞳で見つめられたらたまらない
「顔だけじゃねぇ…
ここまで赤けぇな」
つ…と谷間に指先が触れる
『やっ…』
首から胸元までもほんのり桃色に色づいている寧々
濡れた視線が絡むと胸が高鳴った
湯の入った水風船のような胸に指を沈めていく
こんなに柔らかくて、爪でもたてたら壊してしまうのではないかと思うほど
下着の上からでも形を変える
『ひぅ…や…焦凍』
ぞわぞわとする緩やかな愛撫
焦凍はいつもそうだ、
壊さないように、壊れないように優しくしてくれる
きっと本当はもっと酷くしたいんだと思う
けれど、彼は知っているから…
一度壊れてしまったものを、戻すのはとても難しいって
我慢するような、自分を押さえつけているような焦凍の頬に手を添えると
猫みたいにすり寄せてきた
そして手のひらに口付けを落として
ギラつく瞳だけをこちらに向けてくる
その愛を懇願するような仕草に
私は胸が締め付けられた
「…寧々
お前のこと…めちゃくちゃにしてぇ
この前、お前と爆豪がシてる声聞いた時から…ずっと…」
「胸の中が焦げるみたいに痛てぇんだ…」
『焦凍…』
手のひらでくぐもる声で「でも…」と言葉は続く
「壊したくねぇんだ…
矛盾してるってわかってる
だって、壊れちまったらもう…」
そこまで言った焦凍の口をそっと手に力を入れて塞ぐ
そして、驚いた顔でこちらを見ている気弱な彼に…
誰よりも強いのに誰よりも脆い彼に、笑いかけた