第26章 アライブトゥーミー
サラサラの前髪が指を掠め
一本一本がこぼれ落ちるのを見つめる
『私…そんなに簡単に壊れたりしない…よ?』
そう言うと、焦凍は大きく目を開く
『だって、ほら…
心臓、こんなにドキドキいってるのに
破れたりしないでしょう?』
寧々が轟の手を取って、
その平を心臓のある位置に宛てがう
『だから…我慢しなくていいんだよ…?』
そう言われた轟は
泣きそうな顔を見せた
もう、外気は肌寒い…
出会ったのは、春だったっけ
こんなに長い間、一緒に居たのに…
ずっと、我慢をさせてたんだ
ちゃんと向き合うって決めたら、
今まで目をそらしてきたことが見えるようになった
「どうなっても…しらねぇぞ」
低く、低く…
今まで聞いたことのないような声に
鼓膜が震える
それを聞いた私は、少しだけ後悔していた
焦凍の事、
私なんかがおこがましいけれど、助けたいって…思って
って、思ったけれど…
『あ…ちょ…っ焦凍…っ…』
引きちぎるみたいに外されたブラが畳に落ちる
左手が、火傷しそうに熱い
時々前髪から除く緑色の瞳に殺されそうだ
『やぁっ』
突然与えられる乱暴すぎる愛撫に体がついていかない
その上、目を開けると
タートルネックの焦凍
(これは……視覚的に…きつい)
見るたびに触られてもいない中がキュンキュン締まって
太ももまで、もうトロトロになってしまっているのが自分でもわかる
『あぁあ…♡』
焦凍の手が触れるところすべてが熱い
自分のモノだと焼印を押されているよう
いやらしく、腰を撫でられる
そして中腹に手のひらを置かれると、重ねていた唇がほんの少しだけ離れて
触れるか触れないかの場所で動く
「ココに…俺を注ぎ込む…」
『っ……!』
ダメだ、この人に本気を出させたらダメだった…
だって今のだけで……
暖かいものがじわりと広がっていく
『あ…ごめ…ごめんなさ…』
半泣きになりながら寧々が両手で顔を覆う
今の言葉で、潮を吹いてしまったらしい
『恥ず…かし…
こんな…わたし……』
その姿を見た、轟はタガが外れたかのように
下着を握って引っ張り
手のひらに触れている部分を炭にした
呆気なく消炭になった布がパラパラとこぼれ落ちる
「寧々…」