第2章 ルックアットミー
ヒーロー科1-A組
「な、なんか今日ピリピリしてる…ね…」
麗日が緑谷にそっと耳打ちする
「うん…かっちゃんの機嫌が悪いのはいつもなんだけど、今日は更に、拍車をかけて悪いね
あと、轟くんも…表情には出てないけど機嫌悪そう…」
「だよねだよねー
どうしたのかなぁ…
こんな時は、寧々ちゃんとか来てくれたら雰囲気柔らかーくなるのになぁー」
「そうだね」
緑谷は頷いて同意した。口付さんが居ると、かっちゃんの機嫌が良くなるし、轟くんの背景にポワポワしたものが見える
「寧々ちゃん、呼んできましょうか?」
ケロ?と会話に入ってくる梅雨
「なら私も一緒に呼びに行く〜」
芦戸がハーイと手を挙げて言う
麗日、梅雨、芦戸で寧々を昼休み呼びに行くことに
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昼休みになってすぐ、寧々を連れた3人が教室に戻ってきた
「突然呼び出してごめんねー、一緒にご飯食べよーと思ってさぁ」
芦戸が棒読みで言う
『お誘いありがとう!』
嬉しい、とニコニコ笑う寧々
教室の雰囲気がパッと明るくなる
緑谷が爆豪と轟のほうを盗み見すると
2人とも突然やってきた寧々に驚いているようだった
「えー、寧々ちゃんお弁当なんだ!」
『うん、そうなんだー』
「自分でつくってるのかしら?」
『いや、今日は作ってもらっ…』
お弁当の蓋を開けて、思考停止
そうだ、今日は作ってもらったんだ、お兄ちゃんに
「え、これって」
覗き込まれたお弁当箱
大きいハートが書かれた
なんだよこれ、ベタベタの愛妻弁当じゃないか
「ヒュー!え!これ作ってもらったってことはさー!」
芦戸さんが茶化すような声を出す
『いや、あの、これは誤解で!これ、おにい…』
これはお兄ちゃんが作ったって、あれその方がもっとキモくない?
と言っていいものか悩んでいると
BOOOOOMB!!!!!!
え?!
焦げ付く匂いに振り返ると爆豪くん
「てめぇ、ちょっと来い」
明らかにブチギレてる、え?なんで?
腕を掴まれて、ものすごい勢いで廊下を引き摺られていく