第25章 ボザリングミー
指先がしっとりと熱を帯び始める
寧々が感じているとわかって、轟はさらに興奮していた
胸いっぱいに寧々の匂いを吸い込む
この香りをもっと自分に移したい…
離れているあいだも寂しくないように
いつでも寧々を感じられるように
下着の端から指を入れて直接蜜壷の前にある陰核を嬲る
『あぁっ!』
体を震わせて声を上げる寧々の口を
もう片手で塞ぐ
「声…外に聞こえるぞ…」
部屋のドアは薄い
現にさっき部屋の前を通っていった瀬呂の声が聞こえたから
『…っふ…』
口を塞がれたまま、愛撫に耐える
喘ぎ声はすべて轟の手のひらに吐き出してくぐもった
耳たぶにかかる熱い息が甘い
指を伝う愛液が太ももを伝って膝まで零れる
ガチャガチャと音がして、ズラされた下着の端から
熱いものが宛てがわれた
「挿入れるぞ…」
口を塞がれたままそう囁かれ、寧々は首を振るが
否定の言葉も『んー!んんっ』と言葉にもならず
充分に愛された入口は簡単に轟を迎え入れ
『…っん♡』
徐々に甘くなる声に、轟は何度も腰をふる
まるで、寧々を犯しているようだ
掴んでぐしゃぐしゃにしてしまったスカートを握りしめ
引き寄せて奥へ奥へ
正直、他の女も見ろって言われて腹が立っている
俺の気持ちはそんなヤワじゃねぇ…
「から…
証明してやるよ…俺がどんな女と関わっても、寧々しか選ばねぇって」
『ーーーー♡!!』
流し込まれた精液を受け止めながら、寧々の指先はドアを引っ掻く
縋るもののない、一方的な性行為に
轟を怒らせてしまったのだと、途中から理解していた
抜かれた中から欲がこぼれ落ち、床を汚す
体が離れると、寧々はズルズルとへたり込んでしまった
「…わりぃ、やりすぎた」
ドアに額をのせたまま動かない寧々に声をかける
『ん…大丈夫…』
轟からティッシュを受け取り、
足についた体液を拭いて、服装を整えて立ち上がると
何も言わずにドアを開け、出ていってしまう
やりすぎだ
何でもっと…冷静になれねぇんだ俺は…
俯いた先に、寧々の上の下着が落ちている
「!?」
今出たばかりだから、と追いかけようとするが、エレベーターはゆっくりと下の階に向かっていた