第24章 ランナウェイフロムミー
「え?!」
思ったより、薄い反応に、渡した写真が自分の思っているものと同じか確認の意味を込めて捲っていく
1枚目、爆豪に壁に押し付けられる寧々
2枚目、爆豪にそのまま首元を噛まれている寧々
3枚目、物間寧人に抱きつかれている寧々
4枚目、5枚目、と同じように物間と爆豪とじゃれあっているだけの写真が続く
「だ、だから…この女、焦凍くんだけじゃなくて
他の男ともこんな感じにベタベタしてんだよ?!
ビッチなんだって、最低でしょ?!」
「いや、別に…」
状況を知らない女に、説明するのもめんどくさいと感じ
でもただ、物間寧人とは兄妹だって言ってやった方がいいな…寧々の為にも…と思い
「それに、その金髪の…サラサラの髪の方は寧々の兄貴だ」と説明する
こんな写真を見ても、我動じずな轟に焦りを感じたのか
ラムは食い下がる
「こっちは、そうとしても…いや、兄妹でこんなにベタベタしてんのもだいぶキモいけど
それにしても、こっち!この爆豪ってやつとは、絶対ヤってるよ?!
入学した時から、この女胡散臭いと思ってたんだよね…
天然ぶってるってか、いい子ぶってるくせに男好きとか
絶対中学の時からヤリマンだったタイプだよ?」
(それは無ぇけどな…)
轟は心の中で思う
それもそのはずだ、寧々の初めてを奪ったのは他でもない轟で、しかも割と最近の話なのだから
だが、仮にそうだったとしても…
「それは無ぇと思うが、もしそうでも俺は気にしねぇ
俺が好きなのは寧々の外見とか、男慣れしてねぇ所だけじゃねぇ
あいつの心だ」
そう言っていくうちに、頬が緩む
寧々の綺麗な心が好きだ…
その言葉を聞いたラムは頭がカッとなるのを感じていた
何ヶ月も張り込んで撮ったネタをこうも無下に扱われ、ここで傷心した轟を慰め、物にするという計画が崩れたからだ
「っ…焦凍くんは、女に慣れてないから分かんないんだよ!
口付なんて、だいたい、そんなに可愛くねぇし
性格だって絶対作ってる、騙されてんだって!
顔ならさ、私の方が良いし
ね?私…焦凍くんになら何されてもいいよ?」
第二ボタンまで開けた胸元を目の前にチラつかせる
大抵のオッサンはこれで釣れる