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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第2章 ルックアットミー



〜轟side〜


『轟くん!』
花が咲いたような落ち着く声が俺の名前を呼んだから
声だけですぐ誰かわかった


「寧々」


自然に顔が緩むのがわかる

こんなに落ち着いた気持ちになるのはいつぶりだろう

寧々の前だと、いつも凍りついている心が溶けていくようだ



驚いたことに同じ方面に住んでいるという

「一緒に帰るか」

少し図々しいか?と思いながら提案してみる


寧々は、驚いた顔をしたがすぐ笑顔で『いいの?』なんて聞いてきた

いいに決まっているのに



話していくうちに、寧々は親元を離れて住んでいるとわかった

雄英になぜそこまで来たかったのだろう、親元を離れてまで

ヒーロー科やサポート科なら分からないでもないが、寧々は普通科だ

まぁ、誰しも事情というものがあるしな
そこは踏み込んではいけないと、聞くのをやめる



話題は個性のことになり、俺は半冷の能力、とだけ伝えた

使う予定のない火の、クソ親父の能力を言う必要もないだろう
なにより、以前『綺麗な顔』と言ってくれた寧々に

こんな、火傷のある顔を綺麗だといってくれた寧々に

知られたくなかったんだ


でもなぜだか、「俺の個性は半冷、空気中の水分を氷にかえることができる」と言った時

寧々は少し悲しそうな顔をした





俺の住んでいるマンションの前についた
実家にも帰っているが遅い日や父親に会いたくない日はここに帰るようにしている

今日はもう遅いので寧々の家まで送っていこうと通り過ぎようとすると、
寧々が俺のマンションの前で立ち止まった



『私の家ここだから』


おい、そんなことあるのか?

住んでる階まで同じだと言う


鍵を探している寧々
俺も自分の鍵をカバンから探していると
寧々の部屋の扉から




男の声がした




思わず、寧々の方を見てしまう

男の姿はドアに隠れて見えない

寧々の横顔は完全に心を許している相手に向ける笑顔で



心臓がギュッと痛くなった


寧々の入っていった部屋からは少し笑い声と会話が聞こえ、ドアが締まり、何も聞こえなくなった



俺も部屋のドアを開けながら思う


恋人と住んでいるのか…
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