第23章 キープミー
「おい」と心操くんが金髪さんに話しかける
「なんだよ…」と金髪さんが答えると、とたんに彼女は大人しくなった
目を開けたままでどこか空を見ている
「…まっすぐてめぇの教室に戻れ」
心操くんがそう言うと
「はい」と素直に言ってフラフラと歩いて教室から出ていった
廊下に集まっていた野次馬たちも、彼女を視線で追いかける
「大丈夫だったか?」
『あ…うん、ありがとう…心操くん』
「大丈夫?!寧々…うわ、腫れてるよ?
保健室行こ」
『ううん、大丈夫…二人ともごめんね、驚かせて』
弱々しく微笑む寧々を心配そうに見つめる友人二人
寧々は何事もなかったかのように席に戻り、
廊下の見物客も、パラパラと帰り始めた