第23章 キープミー
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パァン!と小気味いい音がして
頬が熱くなる
一瞬、何が起きたかわからず、横の景色を呆然と見ていたが
ゆっくりと目の前に視線を向けると
金色の長い髪、染めているんだろうか根元は黒くて
化粧をバッチリした濃いめの顔
美人だと思う、顔が怒りに歪んでなければ
ほほの痛みを感じながら寧々は思う
なんで突然平手打ちされたのか、も気になるけれど
なんでこの人はこんなに怒っているのだろう
さきちゃんが、殴ってきた子に掴みかかろうとするのをゆきが止める
そんな声や、周りから向けられた視線も
どこか他人事のように感じる
「あんたの…あんたのせいなんだから!!!」
金髪の女の子が叫ぶ
「この、淫乱女!ヤリマン!ビッチ!!
どうやってたぶらかしたんだよ、糞女!」
えらい言われようだなぁ…と思う
でも本当のことだし、むしろ自分にこんなに当てはまる言葉はないとさえ思う
「テメェのせいで…焦凍くんにあんなこと言われたんだよ!死ね!」
もう1度振りかざされる腕
あぁ、また殴られるんだ…とぼんやり思っていると
誰かがその腕をつかむ
『…心操くん』
いつもの眠そうな目で、ジロリと金髪の子を睨み
腕を握る心操くん
「いって…離せよ!
テメェもこいつの男か?
おい、お前何人男いんだよクソビッチ!
ってか離せ!痛いって」
何か勘違いしてるらしい金髪さんが大声をあげる
あんまりあばれるから短いスカートがめくれ上がりそうだ