第22章 プレイウィズミー
「おかしな話だな、その決めていた女性とは高校に入るまでに別れてしまったのか?」
「よくわかんないんだよね…
そもそも誰とも付き合ってなかった気がするんだけど
僕もかっちゃんとは中学からは特に話さなくなって…」
「その、『決めた女』が寧々の事だ」
首をひねる二人に
俺がそう伝える
すると、緑谷は目を丸くして否定した
「え!?ないない!
だって口付さんと知り合ったの高校に入ってからだもん」
「あいつらは何年も昔に1度だけ出逢ったらしい」
「一度きりあった人と結婚するつもりだったのかい?!爆豪くんは」
「らしいな
寧々も同じくそのつもりだったみてぇだ」
その中に割って入ろうっていうんだ
俺はとんでもないヒール役な気がしてしまう
あの二人の馴れ初めは、寧々から聞いていたはずなのに
こうして改めて、第三者から聞かされると
何年も、他の女からの申し出を頑なに断り続けて
寧々ただ一人を愛し続けてきた爆豪
正直、及び腰になる…
寧々も同じように、名前も顔もわからねぇ爆豪を
その約束を果たそうと、探し続けてた
「やっぱり、俺はあいつらの間を邪魔してるだけなんだろうな…」
「そんなことないよ」
「そうだ、想っていた時間の長さは関係ないさ」
緑谷と飯田は、そう言ってくれたが
俺の心の中は
まるで薄いモヤがかかったようだった