第20章 アイマイミー
焦凍に火の個性があるって分かって
飛び上がるほど嬉しかった…
でも…勝己が、あの男の子で
勝己も、すごく優しくて、かっこよくて
それに、私の事をずっと探していてくれたから
私もずっと探していたから…
だから焦凍への想いは隠して勝己と付き合ったの
ずっとずっと探していた運命の人だから…
きっと焦凍への想いは一時的な物だろうって、いつか消えるだろうって
勝己への思いは10年間もずっと消えなかった
ずっと心のどこかで勝己を思っていた
でも、新しく現れたはずの焦凍への想いも消えることはなくて
私はどっちを選べばよかったの?
あの時、きちんとどっちかを選んでいれば
こんな事にはならなかったんじゃないの?
私の意志が弱いせいで、二人を傷つけている
二人のことを、大好きな人たちのことを
いちばん傷つけているのは自分だ……
全部を思い出して、分かったことは
私が最低だってこと……
隣で眠る焦凍に心の中で問いかける
ねぇ焦凍…
焦凍は、優しくてカッコよくて強くて…由緒だだしいいエンデヴァーのご子息
私なんかより、もっと素敵な人が現れるよ
こんな、自分の大切な人も選べない
私なんか、もう辞めて…新しく好きになった人と幸せになって欲しいよ
その時、ふと一つの考えが浮かぶ
そうだよ、よく考えたらこの2人がいつまでも私なんかに構ってるはずがない
どこかの素敵女子が、かっさらって行ってくれるはずだ
そしたら、私…残った方とつきあうの…?
ううん、その残った方も、誰かが奪っていくはず…
あんなハイスペックな2人をみんながほっておくはずないもんね
我ながらいい考えだ
決められないなら決めてもらえばいい
最低な私にぴったりな卑怯なやり方
でもそうでもしないと…
私には到底選べる代物ではなかった