第20章 アイマイミー
「今日だけは、俺のモノでいて欲しい」と言う焦凍の押しに負けて
私は焦凍と同じ布団で、今までと同じように横になっていた
でも眠れない
本当はすごく疲れていて、もう何も考えたくないのに
眠れない
この部屋の真下にいる勝己の事とか
隣で穏やかな顔で眠る焦凍の事とか
はっきり思い出せた勝己との出会いとか
いろいろ
まさか、今回の記憶が戻ったことで
昔の失われてた記憶まで戻るとは思わなかった
それは4歳の時……
私は旅行中、たまたま立ち寄った街で迷子になり
大人の男の人に、連れ去られそうになった…
手に持っていたのは黒い袋と、ロープ
あのまま連れていかれてたら
どこぞの国で臓器を売られたり、そういう趣味の人に売られたりしていたのだと思うと
身震いがする
そこに、たまたま通りかかった
金髪のツンツンヘアー、赤い瞳に自信を携えた
小さい頃の勝己が現れた
恐怖で声も出なかった私によく気づいてくれたと思う
「おい、お前…何女泣かしてんだよ」
なんて、4歳の子供がいうにはカッコよすぎるセリフ
勝己は、幼稚園児とは思えない個性で
大人相手に火傷を追わせた
そして、近くにあった木を爆破で火をつけて
その怖い大人の人たちは火を見た人達が集まって来るのを恐れて一目散に逃げていった
私はというと、腰が抜けて立てなくて
勝己がそっと手を差し伸べてくれた
その手は無理をして沢山の爆破をしたせいで
火傷して、皮膚がめくれてしまっていた
『ごめんね…君の手、そんなにしちゃって…
私が弱いから…』
「大丈夫だ、すぐ治る
それに、オレはいつかヒーローになるから
たすけたのもヒーローとしてとうぜんだ!」
えっへん、と勝己が胸を反らせる
『すごいなぁ、私、何もなりたいものがないや』
「なら、おまえはオレのおよめさんになれ
弱くても、オレがずっとずーっと守ってやる!」
『ほんとに!?』
「ああ、やくそくだ!」
やくそく、と言って勝己が私にキスをする
すると私の体に暖かい光のようなものが入ってきて
手からは小さな爆発が起きた
『わぁ!な、なにこれ』
「!?おれとおなじだ!」
勝己が目をキラキラとさせる