第19章 ラブミー
私は2人の顔をしっかり見て口をひらく
『2人とも…今までごめんなさい』
『私、もう2人とは居られない』
「「!?」」
爆豪「んだよ、それ…」
轟「どういう意味だ」
『今まで2人のことさんざん振り回して…
それなのに私…まだ気持ちも決めれてなくて…』
泣いたらダメだ、きちんと話さなきゃ…
ダメってわかってるのに涙がこみ上げてくる
零さないように、ギリギリでとどめる
『2人といたらダメなの、どちらかを選ぶこともできない
最低でごめんなさい…』
二人は黙って呆然と立っている
ごめんなさい…でも、これ以上最低なことを繰り返したくない
轟「俺達のことが嫌いになったのか」
焦凍が泣きそうな顔で見つめてくる
そんな訳ない…でもここで首を横に振ったら二人はもっと悩むだろう
首を縦に振る
ごめんなさい、ごめんなさい
嫌いになんかなるはずないよ
2人とも大好きなのに、嘘つかなきゃ…
俯いたら涙が止まらなくなってしまった
途端、引き寄せられて強く抱きしめられる
息が苦しいくらい強く
爆豪「嘘つくなら、ちったぁ上手く付け…バァカ」
『ふぇえ…?』
轟「爆豪に同意だな…
まぁ、嫌われたところで、俺は寧々の事を諦めたりしないが」
爆豪「は?んなもんオレもだ、舐めプ野郎
テメェだけちゃっかり口説いてんじゃねぇ」
『ちょっと…2人とも、意味がわかんないよ…
2人のこと嫌いだって言ったじゃん…』
轟「嘘だってバレてるぞ」
『そんな…』
…なんで分かるの?
『ホントだもん…』
もう1度頑張って言ってみる
『ホントに嫌いだもん…』
爆豪「本当にか?」
『う…』
覗き込まれて、一瞬答えに詰まる
爆豪「即答しろよ、時間切れだ」
轟「まだ決めれねぇなら、いくらでも待つ
また1から始めればいい…」
爆豪「チッ…振り出しかよ」
『そんな、ダメだよ…だって私…もう』
爆豪「あ゛?ここまで来て逃げるとか許さねぇ」
轟「あぁ、最後まで好きにさせた責任を取れよ」
『……理不尽だよ』
理不尽だ、本当に
でも、なぜだか…まだ2人と一緒に居られることを心のどこかで喜んでいる
私はなんて強欲な人間なんだろう
愛しい2人を見つめる
『ありがとう…』
ありがとう、そばに居てくれて