第19章 ラブミー
2人はリカバリーガールに追い出されるように残りの授業にむかって
私は夕日が沈むまで保健室で休ませてもらった
「そろそろ落ち着いたかい?」
『あ、ありがとうございますリカバリーガール…
ごめんなさい、何度もご迷惑をかけて』
「なに…私にも巻き込んだ責任がある…」
『そんな…』
リカバリーガールに頭を下げられ、困惑する
だって私が望んで手伝ったことだ
誰も責めれるものでは無いし
己の心の弱さゆえの結果だ…
リカバリーガールにお礼を言って寮へ向かう
でも…どこへ帰ればいいのだろう
悩みながら歩いていると、足は自然と1-Aの寮へ…
入口の前に人影が見える…あれは……
『焦凍…』
「寧々、もう大丈夫なのか…」
『う…うん…
ありがとう…』
「さっきまで爆豪も待ってたんだが…
先生に呼ばれて行っちまった」
『そうなんだ、ごめんね2人とも…』
「部屋、帰ろう」
『……でも、私もう焦凍とは住めない…』
「………そうだよな
でも、荷物は要るだろ
今日の着替えだけでも、取りに行こう」
確かに、今ある着替えはこれだけだ
頷くと、焦凍は安心した顔で微笑んでくれる
「行こう」と繋がれた手は暖かかった
見慣れたはずの部屋に入る
2人で貼った襖や、畳…
何日もここで過ごしたはずなのに、始めてくるようにも感じる
焦凍が後ろで扉を閉める
と、同時に私を引き寄せた
『!?』
焦凍の腕の中にすっぽりと包まれる
焦凍の、優しい涼しげな匂いがする
「……寧々」
とても悲しそうな声で呼ばれると
胸の奥が締め付けられるようだ
罪悪感がまた波のように心を浸す
『ごめんなさい…焦凍…
私ずっと、焦凍を苦しめてきたんだね…』
「ちがう、
お前に恋人だと思われている間…
俺は幸せだった…
爆豪が苦しんでいるのを知っていたが
見て見ぬ振りを決め込んで
寧々と婚約までした…一番最低なのは俺だ」
『そんなこと…ん…』
否定しようと焦凍を見上げると唇で塞がれる
『んんー…!』
身をよじるが、体には腕が回されていてびくともしない
焦凍の暑くて深いキスに頭がぼーっとしてしまいそう