第18章 チューズミー
〜寧々side〜
目を開けるともう3時だった
『動きたくないな…』
なにも考えたくない、なにもしたくない
スマホを見るとさきちゃんからLINEが届いている
毎日何があったか写真付きで報告してくれるのだ
画面に映るクラスメイトの笑顔の写真を見つめる
『早く授業うけたいな…
記憶喪失って分かったし…受けれるようにならないかな』
休学を進められたのは
リカバリーガール的には、記憶が混乱している間に
ほかの人に記憶が違うことを言われて、
私がショックを受けないようにって配慮だったんだろう
目を閉じて焦凍と爆豪くんの事を思う
――2人とも…ごめんなさい
爆豪くんは、恋人に忘れられて
目の前で焦凍と恋人になっているのを見せられて、
焦凍は、恋人って思い込まれて
爆豪くんとの思い出を押し付けられて
二人を沢山傷つけた
もうこれ以上振り回すことは出来ない…
そう思っていると、スマホが震える
手に取ると、焦凍からLINEがきていた
轟【寧々、今日は帰ってきてくれるか?】
轟【切島から事情は聞いた。
今まで隠してて悪ぃ…】
轟【話がしたい…帰ってきてくれ】
なんて返したらいいのか、わからず
スマホを閉じる
でもこのまま隠れているわけにもいかない
ちゃんと話し合わないと…
私はきっと2人から身を引くべきだ
さんざん振り回しておいて、どちらかを選ぶなんて道理に反する
シャワー浴びよ…
身体中爆豪くんの香りがするし…
どうにか体を起こし、
階段をゆっくり降りていく
なんでだろ…すごくクラクラする
床が回る、天井も
上か下か分からなくて振り回されてるみたい
そのまま暗転して、私は意識を手放した