第18章 チューズミー
〜轟side〜
朝、教室に行くと切島に話しかけられた
「轟、ちょっといいか?」
「どうした?」
「悪い、寧々ちゃんに
記憶喪失のこと話した…
爆豪と寧々ちゃんが付き合ってたことも…
本当に悪い」
頭を深々と下げられる
クラスメイトがざわついているが、爆豪は席についたままこちらを見ようとしない
「……謝らなくていい
今まで気を使わせて俺の方こそ悪かった」
切島だけじゃねぇ、クラス全員に言いたかった
みんな俺の思いを汲んで黙っていてくれた
「轟……」
「どっかで、寧々にバレること期待してたのかもな…
その上で俺を選んでほしいって…
爆豪の代わりを続けんのも、結構辛い時があったからな」
だから、切島ありがとな
と言葉を続けると、切島は泣いた
本来、寧々と恋人になれるはずはなかったんだ
とっくに爆豪のものになっていたし
俺は2番目に甘んじて、無理やり間男に成り下がっていた
それなのに、記憶がなくなって
俺を恋人だと思い込んでる
何も知らない寧々のことを、押し倒して、初めてまで奪って
思えば恋人になってからは最低なことしかしてねぇな…
それでも、愛しているからそばに居たい
選んでほしいという願いは変わらない
諦めるなんて到底出来ないと思った