第17章 ヘルプミー
〜爆豪side〜
翌日
今日も今日とて仮免講習に向かう
今日は轟からあまり話しかけられなかった
昨日のカレーの件を気にしてんだろう
寮に帰って、真っ直ぐ風呂に向かい
包帯を外して暑いシャワーを浴びる
腕の傷に染みるが、気になるほどの痛みじゃない
昨日の夜、寧々に包帯巻かれて
別にほっておいたら治る程度の怪我なのに
「明日も巻け」って言ったのは
だだ、寧々に会う口実にしただけだった
シャワーを止め、部屋に戻る
ベッドに横になり、スマホを見つめる
寧々を電話で呼び出して
巻き直してもらうおうかと悩んでいると
ドアからノック音がした
開けると、そこには救急箱を持った寧々
「!」
驚いたが
何も言わず、寧々を部屋の中に招き入れた
『ごめん…お風呂場に行くのたまたま見えて』
「いや…」
寧々の部屋着?普段着はいつも女らしくて
薄手のTシャツで胸の形までしっかりわかるし
ニットかなんかのショートパンツは見るからに手触りが良さそうで
同じ色のニットのパーカーも袖が長くて手の甲まで隠れているのも、なんつーか女らしい
ジロジロ見すぎたせいか、耳まで赤くなっていく寧々
ベッドに座って腕を差し出すと、寧々は救急箱を床において、床に両膝をついて包帯巻き始めた
自然と見下ろす形になり、時々くる上目遣いに心臓がバカみてぇに高鳴る
『できました』
あっという間に巻きおわって
せっかく口実で作った二人の時間は終わってしまう
寧々は救急箱を片付けはじめて
俺はそれを止めることも出来ねぇからただ見ていることしか出来なくて…
救急箱を持ち、ドアに向かう寧々
ドアノブに手をかけ、
振り返ってくる
――んだよその顔…
目ぇ、うるうるさせて
顔真っ赤にして…唇はきゅって結ばれてて
「っ…」
顔に熱が集まるのがわかる
――そんな顔をされると勘違いしちまうだろ……
襲われる前にさっさと部屋帰れや
『何もしないの…?』
棒立ちになってるオレに寧々がそう呟く
それ、どういう意味だよ
視線が絡み合う、理性が沸点ギリギリまできてる