第16章 ドントフォゲットミー
〜寧々side〜
消毒液をシミさせたコットンで傷口を拭き、絆創膏をはる
(焦凍もすごく怪我してたし…仮免講習って大変なんだな)
さっき焦凍の傷の消毒をして
腕の切り傷を拭いたタオルを洗いに来ていたのだ
ついでに救急箱を棚に返そうと思っていたから
持ってきててよかった
こうして居ると、はじめて爆豪くんにあった時のことを思い出すな…
腕の傷に包帯をまいていると爆豪くんに手を掴まれる
『ごめん…痛かった?』
月明かりにうつる爆豪くんはとても綺麗で
金髪が光をあつめているようにキラキラとしている
燃えるように赤い目に見つめられると、もう逃れられないような気持ちになる
「なんでもねぇ…」
そう言って手を離す爆豪くん
昼にみんなとあんな話をしたから、つい意識してしまう
このまま二人で居るのは良くないと判断して、早めに包帯を巻いてしまう
『これで大丈夫だと思う…』
「あぁ」
爆豪くんは私の頭をポンと撫でてくれる
あの時と同じように
『じゃぁ、私部屋に戻るね』
救急箱を片付けながらそう言い、立ち去ろうとすると
腕を掴まれ振り返る
「明日、も…」
(明日も?)
「包帯巻け
風呂入る時はずさねぇといけねぇから…」
『あ…そだよね
わかった』
そう返事すると、爆豪くんは外に出て行ってしまった
私は一人残され、腕に残る爆豪くんの温もりに、戸惑っていた