第15章 キルミー
「お紅茶のお話ができる方あまりいませんの
うれしいですわ!」
『いやいや!そんなお話できるほどの教養はないよ?
ただ香りが好きな所のを気分で飲んでるだけだし…』
「そんなことないですわ、私茶器もWedgwoodが好きなんですけれど…」
『わたしはロイヤルアルバートが好き!Wedgwoodだとジャスパーとかワイルドストロベリーとかも好きで集めてる』
八百万さんがとても嬉しそうに話してくれるので、つられて嬉しくなってしまう
2人でお茶菓子の話や好きなショコラティエの話をしていると
みんなの視線を強く感じて振り返った
『あ、ごめん紅茶だよね』
耳郎「あ、いやそうじゃなくて…」
上鳴「寧々ちゃんも、お嬢様なん?」
『え、私は違うよ(笑)』
上鳴(でもナチュラルにピュアセレブの八百万と話し合ってるし)
耳郎(自覚ないタイプなんかなー)
特別美人ということ以外には、わりと普通の女の子感の強い寧々から聞き慣れない横文字が出てくることに驚きつつ紅茶に口をつける
芦戸「あ、そいえば轟くんって今日は?」
『仮免講習に出かけたよー』
上鳴「そそ、爆豪と2人で………」
一瞬場の雰囲気が凍る
私は凍ってもわかるんだけど、何でみんなまで…?
みんなの顔を見ると、何だかソワソワ?NGワードを発した後みたいになっている
『どうか…したの?』
上鳴「えぇ?!いや、なにも」
明らかに声をひっくり返して上鳴くんが返事する
わかり易すぎて逆に反応しずらい…けど、やっぱりみんなも爆豪くんと私のことで何か知ってることがあるみたい…
バツが悪そうに俯いている八百万さん、やっぱり何かあるんだね
『ね、私って何か大切なことを忘れてるのかな…』
思ったことを率直に聞いてみた
それは私が忘れてしまったこと…でも確かにあったもの
私と爆豪くんだけが知っている関係かと思っていたけれど
この反応を見る限り周知の事実だったのか…と思わずにはいられなくて
みんなは、俯いたままで何も答えてくれない
耳郎「なんで…そう思ったの?」
耳郎さんが口を開いてくれた
『実は…LINEで身に覚えがないやり取りが残ってて…』
芦戸「誰との?」
爆豪君との…と言っていいのか、分からず言葉を詰まらせてしまう