第2章 19年後 ロンの失敗
ロンと喧嘩をしたら、ハーマイオニーはよくこうして2人の友人のもとを訪れる。その時ヒューゴは一緒に来てリリーと遊んだり、近所のマグルの友達と遊んでいるかどっちかだ。ロンと話し合った結果、マグルの友達を作っておいた方が後々のためにいいということになっているため、ローズとヒューゴには近所に友達がたくさんいる。
ロンはもう帰っただろうか。連絡をしなかったから怒っているんだろうか。
ふと気づいたらロンのことを考えいるのに気づかないふりをして、ハーマイオニーはジニーと他愛もない話を楽しんだ。子供たちのこと。キャンプを楽しんでるだろうということ。ビクトワールは本当に綺麗になったということ。
いつの間にか席を外していたハリーが帰って来て、ハーマイオニーはジニーがついでくれた食後のコーヒーを飲んだ。ロンは心配しているだろうか。これを飲んだら帰ろう。帰って仲直りをしよう。
その時、玄関が開く音がした。
「ロン」ハーマイオニーは驚いて言った。
ロンはハーマイオニーがそこにいることに大して驚きもせず、ハリーとジニーに挨拶をした。
「ロン、何か飲む?」立ち上がってジニーが聞いた。
ロンは首を振る。
「ありがとうジニー。でも、すぐに帰るから」
「そう」ジニーがまた座る。
ロンはテーブルにもつかずにハーマイオニーに向かって言った。
「おい、帰らないのか?」
ハーマイオニーは残ったコーヒーを一気に飲んで、立ち上がった。
「夕食とコーヒーをごちそうさま、どうもありがとう」
ジニーが微笑む。
「いいのよ、また近いうちにね」
さっきまで愚痴を言っていたのでロンについて帰るのを気恥ずかしく思いながらも、ハーマイオニーはハリーとジニーに今度リリーを連れて遊びに来るように言って、ロンに続いて外に出た。
見送りに庭に出てきたハリーとジニーを軽く抱きしめてから、ハーマイオニーは姿くらましをしようとした。
しかし、ロンがここで姿くらましはなんとかかんとかとごにょごにょ言って歩き始めたので、ハーマイオニーは2人に手を振ってから庭を出た。
しばらく無言のまま歩いた。
喧嘩の後はいつもそうなのだが、少し気詰まりだった。