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19年後~Harry potter~

第4章 半分。


Fred side ~from heaven~

フレッド・ウィーズリーは今日も憂いの篩の中を見つめていた。

こっちの憂いの篩は思い出を見るものではなく、現世の様子を見るためのものだ。こっちではそれを見るくらいしかやることがない。

篩の中では彼の双子の片割れが、何をするでもなく目をぱっちり開けてベッドに横たわっていた。

幼い時から2人で使っていた隠れ穴の部屋は、パーシーやロンが使っているものと同じ大きさだったが、ジョージには大きすぎるとフレッドは思った。

思えばジョージもフレッドも、一人きりの寝室で寝るという経験をしたことがなかった。

フレッドが死んで、あの部屋に帰れなくなるまでは。

今、フレッドのベッドは空っぽで、埃が積もっている。

ジョージはフレッドのベッドに背を向け、それが目に入らないようにしていた。

双子の相方の目に何の光も映っていないのを見て、フレッドは恐ろしささえ感じた。



あれから3ヶ月がたった。

フレッドはこっちの生活に慣れ始めてきていた。

ハリーのパパ、ジェームズとシリウスと彼らの学生時代のいたずらや、忍びの地図のこと、フレッドとジョージの自由への逃走の話をするのは楽しかった。

しかし、確実に、何かが足りなかった。寂しかった。完璧な合いの手も、完璧な相棒も、ここにはなかった。

ジョージが喪失感に襲われているのは知っていた。

フレッドがそうだったからだ。

いつもフレッドの左側にはジョージがいた。

だから左側が空っぽだとどこか落ち着かないし、きっとジョージもそうだろう。

大きな水盆の中のジョージは、何もせず、ベッドに横たわり、宙を見つめていた。そして時々切れたように眠り、眠りながら泣いた。フレッドもそれを見ながら泣いた。

ジョージはジニーに説得され食事だけは少しずつ取るようになったようだった。しかし、目に見えて痩せていたし、以前のような赤毛ではなく、くすんでいた。

そして何より、表情はなく、生気はなく、まるで半分死んでいるかのようだった。


「おい、お前、店いけよ…」

フレッドは呟いた。

いたずら専門店は2人の夢だった。

2人で切り盛りできたのはほんの1年間だったが…。

3ヶ月経ってもまだジョージは店に出ていない。

つぶれっちまうぞ。

フレッドは心の中で呟いた。
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